木造阿弥陀如来及び両脇侍像(願成寺)
中央が阿弥陀如来像で、来迎印を結んでいます。向かって右は観音菩薩像、左は勢至菩薩像です。平安時代終末から鎌倉時代初期に造られたと考えられ、武田信義の寄進と伝えられています。
山梨県内には、同時期の阿弥陀如来像は全部で7体あります。そのうち三尊像は善光寺(甲府市)2体、栖雲寺(塩山市)1体、願成寺(韮崎市)1体の計4体です。この中で願成寺のものは最も大きい仏像です。
善光寺の仏像のうち1体は、韮崎の「宮地村」の地蔵堂から文禄年間に移したことが江戸時代に編さんされた『甲斐国志』に記されています。
本像の安置されている願成寺は山号を鳳凰山と称し、現在曹洞宗ですが、かつては臨済宗でした。寺記によると、武田信義が平安時代の終わり頃に中興開基し、菩提所としたといわれています。
願成寺には本像の他に、市指定文化財の「願成寺の五輪塔」・「 願成寺阿弥陀三尊像 」・「 願成寺の山号額 」などがあります。また、近くには「 武田信義館跡 」の伝承地があります。
木造阿弥陀如来像
寄木造で坐高146.1センチメートルあります。来迎相で螺髪は植え付け、髪際は一文字、彫眼です。肉髻、白毫をはめこんだ痕跡があります。衲衣は左肩からかかって右肩を少し覆っています。
観音菩薩像
寄木造の立像で造高は169.7センチメートルあります。垂髪毛筋彫で白毫をはめこんでいます。両手を屈臂して蓮台を捧げる形をしていて、左肩から右脇に条帛をかけ、天衣をまとい、裳をつけ、二段折り返して腰をわずかに左にひねっています。肉身は漆箔、衣紋は彩色されています。
勢至菩薩像
寄木造の立像で造高は168.5センチメートルあります。垂髪毛筋彫で白毫をはめこんでいます。両手を屈臂して合掌していて、左肩から右脇に条帛をかけ、天衣をまとい、裳をつけ、二段折り返して腰をわずかに右にひねっています。
地図
木造阿弥陀如来及び両脇侍像(願成寺)
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更新日:2020年03月31日